賃貸物件のありがたさ
もう12年前になるのですが、大病を患い一年近くの入院を余儀なくされました。しかし私の家の近くには大きな病院がありません。したがって家から二時間ほどの総合病院に入院することになったのです。当の患者は仕方ないのですが、困ったのは家族です。緊急時もそうですし着替えを持って行く際にも不便です。そこで家族で話し合い、母が病院の近くのアパートを借りることにしたのです。賃貸アパートで月に五万円の家賃だったと記憶しています。もちろん経済的負担は大きいものがありましたが、道中に掛かる時間や安全面を考慮すればメリットははかり知れません。家族が近くに居ることは、この上ない安心感があります。父や姉も最大限サポートしてくれて、無事に退院した時は涙が溢れました。後で知ったのですが、同じようにしている入院患者さんと家族は多いとのことでした。近くに安価で借りられる賃貸物件があったことは、私たち家族に大きな勇気となったのです。担当の不動産屋の営業マンも親身になってくれて、本当に助かりました。
外泊した際には、アパートで母と姉が手料理を作って待っていました。病院の食事とは違う温かさがありました。久しぶりに畳の上で眠れたことも回復を早めた一因だったと確信しています。